イギリス旅行記~3日目
3日目全体地図
3日目は以下のツアーに1日を費やした。
人気の3大スポットを1日で!ウィンザー、バース、ストーンヘ
ビクトリア駅(Victoria Station)
バスの出発地点/集合地点がビクトリア駅のゴールデンツアーズ前のため、ユーストン駅から地下鉄ビクトリア線で移動する。
集合時間が8:00ということは海外だし電車遅延も日常茶飯らしいし必然的に朝は早くなる。
ビクトリア駅ではやや迷いつつも、Google map + 視界に入る日本人集団を目印に無事集合地点に。
集合地点にはホグワーツ・エクスプレス(バス)が停まっていた。
ワーナーブラザーズスタジオ行きだろう。今回はパスした行き先だ。
ここで、印象的な出会いが2つあった。
1つはバスツアーのガイドさん。なんとこの人が初日にヒースローで出迎えてくれ、そのままホテルまで同行してくれた現地ガイドその人だった。仮名をシムラさんとする。
「あの、おとといホテルでお会いしましたよね……?」
「はいー、そうです~! あのときはお世話になりました~」
「あの日は部屋大丈夫でしたか? 別のグループの人たちは変な部屋をあてがわれてしまって、その交渉で夜0時くらいまでかかって大変だったんですよ~」
「それは大変でしたね……お疲れ様です」
あまりに奇遇すぎてロンドンには現地ガイドの人数がとびきり少ないのかと考えてしまった。
2つ目は個人で参加していたツアー客。集合場所で並んでいたところ、前に並んでいたこの人が振り返って声をかけてきた。
「ちょっとトイレに行ってきたいのですが、列見ててもらえませんか?」
30くらい、長くて緩やかなウェーブがかかった金に近い茶髪。
印象的な出会い、と言ったが、じつはこの人との会話は金輪際これだけ。それでも印象的になったのはこの後、不思議な縁を感じる場面がしばしばあったからだ。
バスは32Km離れたウィンザー城へ向けて出発。
ウィンザー城(Windsor Castle)
ウィンザー城最寄りのバスステーションに着いたのは09:40頃。
ここからウィンザー城の入場口まではしばらく歩く。
人出がすごいなあとは思っていたけれど、近づくにつれこの混雑っぷり。
中央の奥に見える薄い色の建物が目的地。
ちなみにこの写真を撮ったのは10:40頃なので、1時間近く並んでこれである。
ウィンザー城自体が持ち物検査を実施するためにもともと入場に時間がかかるものらしいのが、どうも直近数日間は閉鎖していたこともあってこの日に来訪者が集中してしまったらしい。
シムラさんからは「あまりに時間がかかるようであれば残念ながらここは断念して次へ行きます」と宣言があった。彼女の言うところによればイギリスのバスの運転手は1日の運転可能時間が厳格に定められているため、その時間までにロンドンの営業所へ帰ることが営業上必須であるという。
ツアー客同士で結託しあって、順番に列を抜け出しロングウォークへ行ったりもした。
全長4kmとか。
エリザベス女王がロイヤルアスコットへ向かう際もこの道路を通るらしい。
なお、ロイヤルアスコットはちょうど開催期間中だったが、礼装の敷居の高さから断念している。
入場の際はこんなのを腕に巻く。
手荷物検査は思ったよりもずっと厳格で日本のイベントのときにやるような格好だけのものではなく、金属探知機とX線検査機が用意されていた。
この日は白いスラックスを履いていたのだがお恥ずかしながらベルトを巻いていなかったので、検査時にこんなやりとりをすることになってしまった。
係員「Belt! Buckle!」
僕「No!」
係員「Your Belt!?」
僕「No!」
係員「Belt......oh」
バスの出発時間まで40分くらいしかない。
ここでギャンブルに出て置いて行かれるわけにはいかないので、足早に散策。
一部中に入ることができるのだが、これも並んでいるのを見て完全に諦めた。
中を見れなかったのは普通に後悔があるが、仕方ない。これも旅の一つだ。
バスステーションへ向かう途中のショップでパンやジュース、お菓子を買って帰る。
なお、ツアーの説明にもあるとおりパックランチも付いている。
こんな感じ。可も無く不可も無く。
ストーンヘンジ(Stonehenge)
ウィンザーから約90km南西、ストーンヘンジへ。
到着した頃には14:10頃。
石があるすぐそばにバスを直付けするのかと思っていたら、2.5kmほど離れた駐車場に観光バスを停めて、そこから専用シャトルバスで向かうらしい。
まあ確かに近くまで行けたら見えてしまって入場料もへったくれもないか。
景観の中で大きな価値を持っているのはこの広大無辺な草原ではないだろうかと思った。
仮に山と川と扇状地で形成されるようなごく一般的な日本的風景に石がこんなふうに並んでいても、なるほどミステリーとしての興味は沸くかもしれないが、迫力は無いだろう。
どうして草原の真ん中に石が何らかの意図を持って集められているのか、そういった文化人類学的文脈をはるか飛び越えて、広大な草原に私があるという身体的体験はそれだけで熱量を持っていたようだった。
ここの来るまでのバスの車窓もそうだったのだが、左右に広がる広大な草原は(そして時に無造作に散らばっている山羊や牛の群れは)、石造りの建築物や外国語を話す現地人と同等以上に、僕が外国にいるのだということをまざまざと知らしめてくれていたように思う*1。
石にもっとも近づけてこれくらい。
なんとなく義務であるような気がして、こうしてUFOを呼ぼうとしてしまう。
ちなみにさっきから妻が何か持っているふうなのは、『マイティソー:ダークワールド』でフルチンで看板持ってここを走り回ったセルヴィグ博士の真似。
バスに戻り、40kmほど離れた次の目的地のバースへ向かう。
時刻は15:30頃だった。
ちなみに、(ちゃんとシムラさんの話を聞いていなかったので)バスへの戻り方がじつは一瞬わからなかった。
正解は「言われてみればバス停っぽくなっているところで待っているとシャトルバスが適当に来るはずだからそれに乗る」。すでに人が列形成している場合はさらにわかりやすい。
現地ツアーの予約をするときに事前に口コミを調べていたのだが、その中に「ストーンヘンジでバスに置いて行かれた」というものがあった。
HISの代理店でその旨を相談したとき、若い兄ちゃんは自信たっぷりにこう言った。
兄ちゃん「よく考えてください。ストーンヘンジって石しか無いんですよ。迷いようがないんです」
僕「あっ、確かに。そうっすよね~(へらっ)」
あの兄ちゃん、たぶんエアプである。
駐車場からストーンヘンジまでの2.5kmはぜんぜん歩けない距離ではない。実際シムラさんもそう説明したし、現実的に歩いている人もそれほど少なくない。
すると、ついバスの出発時間ぎりぎりになってしまった場合、シャトルバスのバス停が見当たらずわからない、わかったとしてもシャトルバスの時刻表なんてものは無くて次の便が5分後なのか30分後なのかわからないのならば、2.5kmを歩こうという選択も出てくる。
そうして出発時刻に間に合わなくなってしまう可能性はあるだろう。
車窓がほんと雄大。
バース(Bath)
温泉で有名な都市。
風呂としての「バス」の語源になった街か、と思ってしまうが実際は逆で温泉が湧出→じゃあこの街はバス、として命名されたらしい。
到着時刻は16:20くらい。
時間が押しているのもあって、さっそく博物館へ入場。
昔は実際に使われていた浴場らしい。
妻も僕も温泉や銭湯が好きなのでお風呂入れたらいいなあとか思っていただけに、残念。というか入れる水の色していない。
実際の公衆浴場はこの博物館の近くにあるとかないとか。
雨が降っているのも相まってわかりづらいのだが、ちゃんと湯気が出る程度には暖かい。
館内には温泉を飲めたりするコーナーも。
水底にあるつぶつぶは全て万国いろいろな硬貨。ちょっとぎょっとする。
ここのお土産屋ではバースの街をかわいい柄でデザインしたトートバッグを見つける。
£10くらいだったか。
同じ土産が他の土産屋で売っていることが珍しくなかったりするので買うかどうか躊躇した挙げ句、買わなかった。
結論から言うと以降同じものはどこでも見かけることなく、買っておけばよかったと後悔したものの一つ。
バスの出発時間までバースの街を散策する。適当に店にも入ったりする。
傘を買おうと思っていたがピンと来るものが売っていなかったので断念。
Gelato £3.45
映えの一族。
17:50頃、バスはバースを出発し、ロンドンへ。
夕食
バスがグロスターロード(Gloucester Road)付近に停車したのは、だいたい20:30くらいだっただろうか。
Gloucester Roadからラッセルスクエア(Russell Square Station)へ。
結論から出してしまうと、この日の夕食は(も)こんな感じ。
The Fryer's Delight
COD, STEAK & KIDNEY PIE, CHIPS*2 £12.3
+ Sainsbury's Localで買ってきた飲み物 £5.3
とくに対策せずに持ち帰ったものが店頭で食べるものより美味しくなるわけがない、という前提の上。
ぶっちゃけて言ってしまうと白身魚を揚げたものが不味いわけはないと思う。
問題はパイのほうで、中身がパサパサしていて、うん、美味しくなかった。
ポテトはただのポテトで、可も無く不可も無く食べられるが食べ進めている途中で塩が枯渇し、お腹いっぱいになったのもあって、翌日のおやつに持ち越されることに。
*1:と、書いたはいいけど、北海道ってこんな感じなのかな?