イギリス旅行記~行きの飛行機
行きの飛行機
テンションが高い
上部の荷持棚に鞄を突っ込み、着席してひとおおり装備品を確認しつつ離陸を待つ。
救命胴衣とか酸素マスクとか有事の際の動きを説明するビデオ。豪華だし、なおかつそれがまたいっそうコメディ調を強くしておもしろかった。見たほうが早い……と思ってyoutubeなどを漁ったけれど、似たようなものはあるがこんなんだっけ? としっくりこない、というか思い出せないというか。ジリアン・アンダーソンは出てたような記憶はあるが、ローワン・アトキンソンはいたかなあ?
いずれにしても、「お~なんかイギリスっぽい」とよくわからない感動の仕方をしてテンションが上がる。
機窓
機窓、でいいのだろうか。
たぶん佐渡。
富士山。
雲海?
うとうとしていてふっと目を覚ましたら、窓の様子がこんなんになっていて神秘的で、「おお、緯度が高いからオーロラとか白夜みたいになるのか~」と素で言ってしまう。
正解は紫外線が強いから調整された窓の色、ですよね?
機内食
飲み物。アルコールもある、と言われるとノータイムで頼んでしまう。ハイネケンですね。中央はワイン。
ところで、左側にちらっと写っているのはプレッツェル。
これ、確か帰りの飛行機でも出て、美味い美味いとしゃくしゃく食べていたんだけれど、現地で買ってこなかったことを後悔している。それぐらい美味かった。
1回め。蓋を開けたあとの写真が残念ながら無い。beef or chicken? と訊かれて、Beefを頼んだ(記憶)。
イギリスは飯が不味い、というのはまあ定番中の定番で、我々もそう言われていることはわかって行っている。それは、
1.「『{そんなこと言っても実際はそれほどでもないんでしょ}とか言いながら行ったら本当に美味しくない』みたいに言うけどじつは嘘なんでしょうと思っていたらマジで不味かった」という経験をするのもおもしろい
2.とはいえ普通に美味しそうに見える料理の写真はたくさんネットに上がっている
3.そもそも、美味しい食事を楽しみたければ日本のそれなりの場所に行けばいい
などなど考えていたからで、食べる前の味に対してのスタンスは期待でも諦念でもなくわりとフラットな感覚でいたと思う。
そして機内食、普通に美味しかった。
もちろん、どこかのレストラン並とかそういうわけではないし、こんな狭いエコノミーの席で美味しい食事を出されても困るのだが、レーションみたいなものさえ想定していたので十分美味しく感じられた。
2回めかな。カレー。
ところで
飛行機は3列シートだったので、窓側に妻を座らせ僕は真ん中、通路側には出発間際になって金髪の若い女性が座ってきた。紛れもなく(日本国内から見る限りは)外国人だ。
飲み物など、CAと流暢な英語で会話をして好みのものを獲得していたようだったが、食事の際は、なにか注文?や確認を行なっている様子が見られた。宗教的な問題かアレルギーの問題かイデオロギーの問題か、なにか食べられないものがあるのかもしれない、と僕は思った。
事実、食事のときはプレートからパンとかオレンジとか2,3品を僕らに対して「くれた」。正確には、英語を完全には聞き取れなかったので、「あげるよ」というニュアンスを勝手に読み取ったというほうが近い。実際にはそれが「食べられないから捨てるくらいならこの人達に押し付けよう」だったり「これ不味いし食べたくないけれど、隣のこの人こんな不味いものを美味しそうに食べるくらい食い意地張っててかわいそうだからあげよう」なのかは定かじゃないが、彼女はほとんど機内食を食べなかった。食い意地の張っている僕はそれを見て、食べる量が少なすぎると思って少し心配になったのだった。
着陸
約9時間かけ、現地時間18:15頃、着陸。
着陸の際、ちょっと尋常じゃないほど飛行機が不安定になった。具体的には左側の車輪が接地したと思ったらふわっと浮いて右側の車輪が接地して右側にGがかかり、また左側の車輪が接地、という感覚。無事に飛行機が停止した際、思わず隣の外国人の彼女と目を見あわせ、両手をフラフラ振って「ずいぶん揺れたわね」とジェスチャ。「death」とかいう単語が聞こえた気がしたが定かではない。妻は後にこのときのことを指して「あのときは死んだと思った」と語る。
荷物を整理し、食事を譲りあった外国人の(もはや我々のほうが外国人という立場だが)彼女とセンキューとノリであいさつを交わして別れ、CAに見送られながらタラップへ向かう。